その1はコチラ

壁に行き当たって、しばらくたちました。

あれこれ考えた末の結論、キャスト後の飛行中の姿勢、水中でイカを誘うときの姿勢、二通りのバランスを一つのエギで実現できないかと。となると、重心が可変式でないと、いけません。 う~ん、どうしよう

エイヤッ で作ったのがコレ

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シンカー内部をシャフトがスルーしていて、それを軌道として、シンカーが前後移動する仕組み。
シンカーがブレないように、ガイドが飛び出していて、ボディ内部のレールを通っています。

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実はコレでもらった! と、しばらく使っていて、釣果もなかなかでしたのですが、ある事実が発覚。
フリーフォールさせると、シンカーが前に移動してしまい、逆立ち姿勢になってしまうのです。

よしっ、こうなれば、シンカーを後部でロックさせるぞ!

まずは基本形。

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この形を基本に、ロックするシステムを詰めていきます。
(量産することは、無視してました。)

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途中にガイドとなるシャフトに、山形をもうけて抵抗を作ってみました。
重心移動のプラグの、内部構造と同じ発想。

しかし、セッティングが微妙で、わずかな変形でもスタックしてしまいます。
また、製造上のばらつきの許容範囲に、スゴク不安が残ります。 

次に試作したのが、コチラ。

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現在の製品に、ほぼ近いところまでやってきました。
しかし、これでは、ストッパーとなるワイヤーの変形量を稼げないので、相当強いショックをあたえてあげないと、シンカーが後ろにロックしません。

よし、あともう一歩・・・・

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コレが、現在のホバーロックの原型、第一号です。

あとはひたすら、こんなテストをして、水中でのステイ角度の調整。

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釣行と調整を繰り返しながら、ファインチューンを繰り返します。

一つ特徴的なのが、カンナが刺さる位置。

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イカの口元や、足の付け根にガッチリかかるようになりました。
頭下がりのエギですと、必然的に、イカがエギの腹側から抱く形となり、カンナはイカの眉間や足の先にかかることが多くなります。アタリがあるのに乗らないこと、または掛かったと思ってもバラしてしまう原因が、ここにあるのです。

水平姿勢のホバーロックを使い出してから、アタリが格段によくわかるようになってきました。
頭下がりのエギですと、イカがタッチしてから、アタリやフッキングパワーが伝わるまでに、わずかですがエギが頭を起こすまでの時間とパワー伝達のロスができてしまいます。
水平姿勢ですと、それがありません。

と、いうことで、完成までの一つの物語でした。



ついでに、お伝えしたいことがあります。

ホバーロックを使用する上で、ご理解いただきたい弱点があります。すみません。

シンプルかつ、軽量な仕組みにするために、可動部はむき出しとなっています。
なので、砂が詰まったり、塩が固着したりすると、スムーズに動かなくなります。
なので、まめな点検をお願いしたいです。
それと、ハードに使用すると、ワイヤーの変形が起こり、これもトラブルの元となります。
ワイヤーは、手で力を加えると変形するぐらいの強度です。
変形すれば、手で元に戻せますが、できればエギ着底後、ボトムにハードヒットさせないよう、一発目のシャクリは、すこし手加減をお願いしたいです。

以上、没プロト物語・ホバーロック編でした